交通事故や、転倒、打撲などによる外傷により、前歯などを損傷(歯が折れたり、歯が割れたり)した場合、適切な治療により、元通りの天然の歯に近い状態に戻すことができます。
そのような、場合、まず、頭頸部以外に、様々な、事故による問題がないか、病院で総合的に、診断を受けなければいけませんが、歯科や、歯科口腔外科では、顎顔面および、口腔内外の診断と治療を行います。
まず、受傷直後に、CTやレントゲンで、打撲した部位とは別に、顎の骨折見られる、好発部位があり、そのような部位を中心に、骨折線がないか?また、口唇などの、裂傷部なども、異物の混入や、感染がないか?次に、受傷部の歯の歯冠部や歯根部、歯槽骨に破折がみられないか、歯の神経の損傷の影響や可能性がないか、などを調べ、止血や感染予防、早期の整復などを行わなければなりません。
小児の転倒や、打撲、衝突による、前歯の破折や、脱臼、亜脱臼などの多くみられますが、その際は、成人と同様の診断や治療のほかに、歯の脱臼や、脱落があっても、その歯を、なるべく無菌的(場合によっては、牛乳などに入れて持ってきてもらったり)に保存たり、あるいは、口腔内に一旦戻して、急いでかかりつけの歯科医師に相談してもらうことで、歯が元通りに、生着、可能性が高くなります。
また、成人も小児も、歯を元通りに回復するために必要な条件として、歯の神経の状態や、根管治療の成否が、歯の予後に大きくかかわります。
一部歯根部に及ぶ歯の歯冠の破折がみられます。
すでに、歯の神経がない歯と、歯の神経がある歯も受傷していました。
歯の神経がない歯も、根管治療が不完全であったため、根管治療の再治療をきちんと行い、また、歯の神経を抜いていない歯は、歯の神経を保護し、歯の神経を抜かなくて済むように治療しました。
まず、受傷直後の受診の際に必要な初期診断や、処置を行いながら、直ちに、日常生活に支障がないような、審美的な問題の解決も行わなければなりません。
根管治療後は、差し歯が黒ずんだりしないように、ファイバーポストによる審美的修復治療を行いました。
(画像をクリックで拡大)
金属を使わずに、差し歯の土台とオールセラミックスクラウンにより、審美的に回復しました。
また、歯の神経を抜かなくていいように、歯の神経の保護を図り、歯の神経を抜かずに保存することもできました。
コメント